小さいころ、社会科の教科書に「玉虫厨子」というのが白黒写真で載っていました。たしか法隆寺の宝物と書いてありました。白黒写真なのでどんな色なのかさっぱり分からないのですが、「不思議な光を帯びたたくさんの羽が張り付けられた箱自体が宝物なんて!実際に見たらきっと吸い込まれそうな色をしているのだろうな。」と興味津々でした。少年時代には家の回りでも時折見ることのあった玉虫ですが、もう40年以上も見かけませんでした。ところが先週土曜日に幼稚園の園庭で1匹見つけました。だいぶん弱っていて可愛そうでしたが、子どもたちに見せたらきっとびっくりするだろうなと思い、虫かごに入れて、榎木(えのき)はないので代わりに桜の葉っぱを少し入れておきました。残念ながら月曜日の朝、すでに儚い命は絶えてしまっていました。それでも子どもたちは「これ、ほんもの?模型?生きてるの?」と興味津々。不思議だよねえ、自然の中にこんなにも美しい命があるなんて。
そうしたら降園のときに「駅でみつけました!」と先生が見せてくれたのはクワガタムシでした。少し小さなサイズのクワガタムシですが、こちらは今日も元気で、子どもたちにノコギリ(大顎)を勇ましく振り上げています。
こんな素敵な昆虫たちの訪問は大歓迎。玉虫は「何か良いことがありそうな」予感がします。豊かな自然に囲まれた雲雀の幼稚園ならではのことと喜びつつ、子どもたちが「こんなのみつけましたー」と今も駆け込んできそうな気がしています。