音楽の力(音楽専科の先生紹介)
本園では音楽専科の先生による音楽あそびの時間があります。もちろん担任の先生は毎日必ずピアノを弾き、子どもたちがリズム遊びやいろいろな歌を楽しんでいます。さらにその上になぜ音楽専科の先生に来ていただいているのでしょうか?そこをお知らせしたく、今日はその先生の言葉をご紹介します。
「雲雀ケ丘学園幼稚園で音楽専科を担当しています山地寛和です。私はカール・オルフという作曲家が考案した、音と動きの教育“オルフシュールベルク”(以下、オルフ)という音楽教育の研究実践を行っています。
私がオルフと出会ったのは、もう20年ほど前でしょうか。日々子どもたちと音楽をする中で、本当にこれは楽しい音楽なのか?という疑問を抱き始めた頃でした。そんな時、目に留まったのがオルフのセミナーのチラシ。そこにはカール・オルフの言葉が書かれていました。“音楽は心の解放から始まる”
この言葉に誘われるようにセミナーに参加して、私はカルチャーショック受けました。私が日本で受けてきた音楽教育とは全く違うものだったからです。セミナーには50名ほどの人が参加されていて、誰一人知り合いはいませんでしたが、非常に温かく、あっという間に緊張がほぐれていきました。この温かい雰囲気はなんだろうと考えたとき、ハッとしたのです。オルフの音楽教育は、性別・年齢・国籍・音楽経験などに関わらず、誰とでも音楽を通じて繋がれる事。また誰もが自分の持っている音楽に気づき、それを活かして楽しみ、心を動かすことができる事である、と気づいたのです。さらには、音楽を通じて自分を知り自分を愛する事。そして自分を愛するように他者を愛する事。つまり自他敬愛の音楽だったように感じたのです。オルフとの出会いがきっかけで私の音楽の授業は変わっていきました。子どもが持っている音楽を引き出し、それを使ってコミュニケーションを楽しむプログラムを多く行うようになりました。もちろん雲雀ケ丘学園幼稚園でも、オルフの実践を行っています。子どもたちが全身で音楽を表現し、心を動かし、仲間とつながったり、身の回りの環境とも繋がったりしながら、沢山の感動体験をしてほしい。また自分を愛する事ができる子になって欲しいという願いを込めて、雲雀ケ丘学園幼稚園の子どもたちと音楽活動を楽しんでいます。」
どうでしょうか。こんな素晴らしい先生のお指導により、子どもたちはもちろん先生たちもともに心のなかに宝物をいっぱい育てています。わたしも先生のレッスンの日は朝から楽しみで仕方がありません。