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2014年06月27日

花より根っこ(6月27日)

 大学の先生が保育者を目指す学生に「最近感動したとか、おもしろかったとか、心が動いたことがあったら、話してくれませんか?どんなに小さなことでもいいです。」と質問されたところ、しばらくしてやっと手を挙げた学生が「正門のそばに咲いていたチューリップがきれいでした」と答えた。その勇気と犠牲的精神には感謝しつつ、他にあるかと尋ねたところ、別の一人が手を挙げ「チューリップがきれいでした」と。言葉に詰まりつつ受け止めていると二人は顔を見合わせて満足げな様子。気を取り直し、別のことがないかを尋ねたところ「私、今日誕生日です」ああ…嬉しいのねと必死に受け止めていると、別の手が挙がり「明日、私の誕生日です」。質問の意味が分からないとは思えない。しかし全く実感のこもらない、本当に心が動いたという内実を伴わない拙い表現に落胆されたとのことです。原因は大学生になるまでの18年間にあるのではないか。みんな同じことができるようにと指示されて、大人の顔色を見て評価におびえて生きてきたからではないか。幼いころから、自分の思いとは異なる大人の期待に応えようとするために、自分の感じたことを深いところに閉じ込めないとつらくて現実に対応できなかったのでしょう。と書かれています。(保育ナビ4月号「人材育成は花より根っこ」東京家政大学 井桁容子先生)
日は変わって、先日「円卓」という映画を観ました。芦田真菜演じる「こっこちゃん」という小学校3年生。算数が苦手、大阪弁丸出し、“普通”大嫌い、人と違っていることがかっこいいと感じる、心の自由な女の子です。同じ団地に住む一番仲良しの吃音の男の子“ぽっさん”、勉強ができてお金持ち、だけどお家には複雑な事情がありそうな男の子“朴くん”などと日常・非日常のいろいろな経験をします。同居するおじいちゃんから教わった『イマジン』という意味を???ながら、最後はクラスのなかで孤立している悩める女の子に満面の笑顔をもたらす大活躍をします。こっこちゃんのIQや偏差値がどうなのかはわかりませんが、本当に頭のいい子だなあと感心しました。いや!頭ではありません。心の動きがすてきなのです。正解のある問いに正しく答えを出したり、相手の用意した答えに期待通りに応えるという頭の良さではないのです。自分の感じたこと考えたことが友だちと同じではなくとも、この違いを「へえー!」「なんでやのん?」「面白いやん!」と心が動き、実感を伴った財産となっていきます。
特に幼児期の教育には「心技体」「知徳体」のバランスよい発達を促すことが期待されています。健康な体や体力、頭脳・知力をすくすくと伸ばしていくとともに、せっかく頂いた体や頭・命を、世のため人のために正しく使う心を育み鍛えることが何より大事なのではないでしょうか。

☆今日は園の畑で採れた玉ねぎを使って、カレーパーティーをしました!
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年長さんが玉ねぎ切をしました。左手は猫の手、右手は包丁をしっかり持って!
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先生が作ってくれたカレー、美味しいね(^.^) おかわりして、一杯食べました。

2014年06月20日

心のかけはし(6月20日)

 いつもは階段をさっさっさっ?と駆け上がるのですが、今日は金曜日、疲れもあって駅のエレベーターを使いました。少し間をおいて後ろから若い男性が来ている気配でしたので、「開」ボタンで少し待ってあげようと思っていました。案の定、手を挙げて早足で乗り込んでこられました。ところがどうでしょう。「ありがとう」の一言もなく、先に降りて行ってしまいました。手を挙げて「待ってください」のサインまでは良かったのですが…
先日の朝、駅の自動改札機から出ようとしたとき、これまたほんの少し向こう側からの方の方が早く入られました。「さあ、次は」と待ち構えていましたが、間をおいて来た方々が、後から後から次々と入ってこられます。まあ、向こう側のサインは「進入」サインになっているので仕方のないことなのですが…見事にどなたからも、会釈も「お先に」も「ごめん」もありません。
自分の所属する集団組織の中では、お互いを気遣うことは普通にされることでしょう。しかし、自分と縁もゆかりもない他人にそんなことをする必要はないということなのでしょうか。ほんの一瞬でも時や空間を共にした関係を「袖すりあうも多生の縁」と言い、「一期一会」とも習った、よき日本人の振る舞いを忘れてはいかんなぁと思いました。
残念ながらギリシャとは引き分けだったようですが、遠くブラジルのスタジアムでは試合後のゴミ拾いの輪が広がったことでしょう。
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年長さんが、お泊まり保育のグルーに分かれて「グループ名」を相談しています
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自分の意見も言って、お友だちの意見も聞いて、みんなで決めました!
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自分の顔を描いて、グループ毎に貼りました。お泊り、楽しみだね(^.^)

2014年06月18日

梅の実の頃(6月18日)

 今日のお誕生会での話です。
「みんな生まれたときは、あかちゃんで『おぎゃー、おぎゃー』と泣きながら生まれてきました。今朝、園の庭でいいものを見つけてきました。これは?梅の実です。実の中にある種はあかちゃんの梅の木になります。こっちはタンポポの花ですね。そして、ほら綿毛も見つけてきました。フーッと吹くとふわふわ飛んでいく綿毛、よ~く見ると小さな種がぶら下がっています。この種はタンポポのあかちゃんになります。すごいですね!どんなものにも、あかちゃんの時があるのです。先生たちも最初はあかちゃんでした。さて、今日はお家の方に『僕は、私は、あかちゃんの時どんなだったか』聞いてみましょうね」
さあ、子どもたちはどんなお話を聞いたでしょうか。写真アルバムやDVDを見せていただいたでしょうか。私も老いた母と、久方ぶりにそのよう時間を過ごしたくなりました。
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 お誕生月のお友達が勢ぞろい        お歌のプレゼントも♪
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  先生の劇、楽しいね(^^)       梅の実とタンポポの綿毛。o○

2014年06月12日

給食試食会(6月12日)

 PTA教養委員会主催の給食試食会がありました。幼稚園では週3日が給食、週1日はお弁当、水曜日はおにぎり持参日となっています。週3日を一年間積み重ねると、約90回も給食を頂くことになります。その給食がどのような考え方や狙いをもって作られているのか?保護者の大いに関心のあることです。今日は50名ほどの参加者で、特に年少さんの保護者が大変多く熱心に参加されていました。
食べ物の好き嫌いは、どの子にもあることです。まずは美味しく楽しく、食べることに積極的(貪欲に?)になってもらいたいですね。そのうえで未開拓の味覚や様々な食感も楽しめるように導いていきたいものです。“やりたいことにチャレンジできる体づくり、しんどいことにも耐える力づくり“に必ずつながります。
給食を作って頂いている富喜屋さんは、素材のおいしさを生かした給食づくりをモットーにしておられます。うまみ調味料を一切使わず、鰹・昆布からとった出汁で味付けされています。本当に富喜屋さんでよかったなぁと痛感しています。3年前、社長直々に厨房を隅々までご案内いただいたあと、近くの直営店で買ったお弁当を家で食べました。目を引くような色彩や豪華な盛り付けではありません。どちらかというと地味なお弁当でしたが、季節感のあるナチュラルな食材とバラエティに富む調理法のミックスが印象的でした。
子どもたちの食べたくなる気持ちもよく考えてくださる栄養士の方、朝3時まだ真っ暗な中、ジャガイモの皮むきやホウレンソウの茹で作業に当たられる社員の皆さん、雪の日も猛暑の中も安全に届けてくださる配送の方、皆さんに感謝の気持でいっぱいです。保育室からは「お父様、お母様、今日も美味しい給食を有難うございます。では、いただきます!」の大きな声が聞こえてきました。
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 試食前に、お話して頂きました     お味はいかがでしたか?
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 試食後にも、お話してくださいました   試食会の給食と和菓子(^.^)

2014年06月06日

いるか文庫(6月6日)

 昨日、年少さんたちが絵本の部屋にきました。園では絵本の貸し出しを行っています。年少さんはその借り方を教わりに来たのでした。自分のお気に入りの絵本を探せた子は、係りの先生のところに行きます。そして絵本の名前が先生から見てきちんと読めるように机の上において、先生が本の名前をノートに書くのを待っています。「いいですよ」の先生の声で、持参した絵本用の手提げ袋にそっと収めます。
「絵本はみんなが楽しむものだから、乱暴にしないで大切にするのですよ」「はーい!」
この1週間、お家の方と何度も何度も楽しんでくださいね。
さて、絵本の部屋の一角に「いるか文庫」があります。ご存知の方も多いことでしょうが、少し紹介いたします。この文庫は、ある女の子の短くも楽しい一生の思い出を永遠に残すためにできました。2001年6月8日、彼女は附属池田小学校で突然起きた事件の被害者となったのでした。その2年後、お父様お母様は我が子を思う溢れんばかりの心を後輩園児たちに分け与えてくださいました。それがこの文庫の始まりの41冊の絵本です。絵本の最後のページには彼女の大好きな“いるか”のシールが貼られていました。当時の園長が新聞取材に答えています。「お父さんお母さんが、長い時間をかけて子どもたちの喜ぶ本を選んでくれました。どれも心温まる本です。」
今日は年長さんの貸出日でした。私も文庫から借りましょう。新美南吉「ごんぎつね」長谷川義史「おへそのあな」ベティ・アン・シュワルツ「にじをつくったのだあれ?」
最後の一冊は年長女児のお薦め本でした。
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